少子化、核家族化、共働き世帯の増加、
情報過多による不安の増大──

いま、子育てを取り巻く環境は、これまでにない複雑さと孤立性をはらんでいます。こうした時代背景のなかで、私たちは「子どもを診る」だけではなく、「家族全体を支える」ことが、小児医療の本質的な役割だと考えています。医療法人社団Linksは、子育て支援を軸に据えたプライマリ・ケアの新しい小児医療の在り方を提案しています。そのためには従来の医療モデルにとらわれることなく、臨床と福祉、心理支援、教育支援などを有機的に統合した多層的なアプローチを導入し、医療を単なる“サービス”ではなく、“地域との共生”として再定義しようとしています。

私たちは、単に目の前の症状を治療するだけでなく、「ここに相談すれば大丈夫」と心から安心し、信頼していただける存在でありたいと考えています。その理念のもと、元旦を除く365日、土日祝も21時まで診療を行い、どの時間帯でも子育て世帯に寄り添える体制を整えてまいりました。

2024年には、言語・心理・身体の発達をサポートする子育て支援部を立ち上げ、さらに保険適用外ながらニーズの高い「頭の形外来」などの自由診療の専門外来も展開しています。保護者の方の「気になっているけど、相談先がない」といった声に応えるべく、領域を拡大しています。

今後は、保育・教育・家事支援など、隣接分野の専門機関とのアライアンスを積極的に構築し、医療を起点とした地域包括型の支援エコシステムの形成を目指しています。これは事業的な成長の道筋であると同時に、社会インフラとしての医療法人が果たすべき使命であると考えています。小さな命とそれを育む家庭のために、そしてその先にある、優しさでつながる持続可能な社会のために、私たちはこれからも挑戦を続けてまいります。